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私は私が好んで救われたのではない、私は私の意に逆らって救われたのである。
 私は現世を愛した。ところが神は現世における私のすべての企画(くわだて)を破壊なさって私に来世を望まざるをえないようになさった。

 私は人に愛されることを希った。ところが神は多くの敵人を私に送って、私に人類について失望させ、神に頼らざるをえないようになさった。

 もし私の生涯が私の望んだ通りのものであったならば、私は今は神もなく来世もない、普通の俗人であったろう。

私は神によってやむを得ず神の救済(すくい)にあずかったものである。
 このため私は私の救われたことに関してなんの誇るところもない者である。

内村 鑑三 著 : [新版] 一日一生 : 教文館