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竹内てるよの言葉3

 

生まれて何も知らぬ 吾子の頬に
母よ 絶望の涙をおとすな

その頬は赤く小さく
今はただ一つのほたんきやうにすぎなくてとも
いつ人類のための戦ひに
燃えて輝かないといふことがあらう

生まれて何もしらぬ 吾子の頬に
母よ 悲しみの涙をおとすな

ねむりの中に
静かなるまつげのかげをおとして
今はただ 白絹のやうにやわらかくとも
いつ正義のためのたたかひに
決然とゆがまないといふことがあらう

ただ 自らのよわさといくじなさのために
生まれて何も知らぬわが子の頬に
母よ 絶望の涙をおとすな

竹内てるよ : 著 : 「海のオルゴール」 : 家の光協会