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 人間を超えた存在を意識し、おそれ、驚嘆する感性をはぐぐみ強めていくことは、どのような意義があるのでしょうか。自然界を探検することは、貴重な子ども時代をすごす愉快で楽しい方法のひとつにすぎないのでしょうか。それとも、もっと深いなにかがあるのでしょうか。

 わたしはそのなかに、永続的で意義深いなにかがあると信じています。地球の美しさと神秘を感じとれる人は、科学者であろうとなかろうと、人生に飽きて疲 れたり、孤独にさいなまれることはけっしてないでしょう。たとえ生活のなかで苦しみや心配ごとにであったとしても、かならずや、内面的な満足感と、生きて いることへの新たなよろこびへ通じる小道を見つけだすことができると信じます。

 地球の美しさについて深く思いをめぐらせる人は、生命の終わりの瞬間まで、生き生きとした精神力をたもちつづけることができでしょう。
 鳥の渡り、潮の満ち干、春を待つ固い蕾のなかには、それ自体の美しさと同時に、象徴的な美と神秘がかくされています。自然がくりかえすリフレイン--- -夜の次に朝がきて、冬が去れば春になるという確かさ----のなかには、かぎりなくわたしたちをいやしてくれるなにかがあるのです。

レイチェル・カーソン : 著 : 「センス・オブ・ワンダー」 : 新潮社