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自由と正義のために

 私たちは何のために闘ってきたのだろうか。人間のためにであった。自由で解放された人間、神が創造した本来の姿に人間を回復するためであった。私たちのこの課題はいかなることよりも優先すべきことであり、いささかの遅滞もゆるされない。

 腐敗と特権、独裁こそが赤化への黄金橋なのだ。独裁と抑圧を維持させるのは安保ではない。独裁と抑圧をはねのけ自由と民主主義を守ることが真の安保であることを直視しよう。自由と民主主義を喪ってしまえば、私たちにいったい守るべき何があるだろうか。

 あの終わりのない飢餓と疾病、暗闇と侮辱の果てしないくびきを守るために、私たちは生命を賭けねばならなぬのか。「そうではない」と、私たちは声を合わせて叫ぼう。

 自由と平和を愛する全世界の良心ある隣人たちは、私たちの孤独で苦難にみちた闘いに惜しみない支援をよせてくれるだろう。この時代に最も必要なのは真実、そしてそれを愛するがゆえにうけなくてはならない受難にたいする情熱である。

 人間の自由と解放のために、すべての民衆が胸をこがし待ちわびている民主主義の勝利をめざし、私たちのあらゆるものを捧げようと呼びかけたい。

 私たちすべての人びとの健闘のために、私は今日も祈っている。

金芝河刊行委員会編訳 : 「苦行」 : 中央公論社