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私の遺産は何があるか

 神さま
 重い障害をもった子どもの親たちが
 できることなら考えたくない
 しかしいつも頭からはなれないことばは
 ”親なきあと”ということだとききました
 親には いつの日か子どもたちを残す
 死の時がおとずれてきます
 たとえ障害があっても
 親なきあとのひとりだちの人生を
 わが子が 心も身体もすべて豊かに
 すごせるようにということが
 父として 母として生きることを
 許された者のすべてのねがいです
 重い障害をもった子どもの親たちの
 耐えがたい思いをききながら
 わたしの子どもたちには
 親なきあとに何を残せるのか
 何をのこさなければならないのかと
 あらためて 自分に問いかえしました
 どうしても これだけは
 残しておきたいという遺産は何でしょうか
 土地も家もお金も 残さなければならない
 ほんとうにたいせつなものでしょうか
 ただ祈りと信仰の遺産をと切に思います

石井錦一 : 著 : 「信じられない日の祈り」 : 日本基督教団出版局