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  最上のわざ

この世の最上のわざは?
楽しい心で年をとり、
働きたいけれども休み、
しゃべりたいけれども黙り、
失望しそうなときに希望し、
従順に平静に、おのれの十字架をになう---。
若者が元気いっぱい神の道をあゆむのを見てもねたまず---、
人のために働くよりも、けんきょに人の世話になり、
弱って、もはや人のために役立たずとも親切で柔和であること---。
老いの重荷は神の賜物。
古びた心に、これで最後のみがきをかける。まことのふるさとへ行くために---。
おのれをこの世につなぐくさりを少しばかりはずしていくのは真にえらい仕事---。
こうして何もできなくなれば、それをけんそんに承諾するのだ。
神は最後にいちばんよい仕事を残してくださる、それは祈りだ---。
手は何もできない、けれども最後まで合掌できる。
愛するすべての人のうえに、神の恵みを求めるために---。
すべてをなし終えたら臨終の床に神の声をきくだろう。
「来よ、わが友よ、われなんじを見捨てじ」と---。

土居健郎、森田明 編:「ホイヴェルス神父 日本人への贈り物」 : 春秋社