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マリーア・フォン・ヴェーデマイアーへの最後の手紙の中の詩

善なる天の諸力(ちから)に、かわることなくひそかに囲まれ
こよなき庇護と慰めをうけつつ、--
この日々をば、汝らとともにながらえ
ともに、新たなる年へと歩みゆかん。

旧き年は、なおもわれらが胸をさいなみ
いまわしき日々の苦渋は、澱(おり)のごとく沈みたれど、
ああ主よ、不意を打たれて怖じまどう魂に
救いをたれたまえ、そがために汝、
    われらをつくりたまいしに。

しかし汝、にがき苦悩のあふれんばかりに満たされし、
苛酷なるさかずきをさしいださんとも、
われら臆せず、感謝しつつ
義なる、汝が慕わしき御手より、そをば受けん。

されど、いまいちど現し世の愉しみと
夏のさかりのきらめきをわれらに恵みたまわば、
つかのまに過ぎしものをば、新たに心に刻み、
遺されし齢をことごとく、汝にゆだねまつらん。

暗やみにもたらされし、この燭台の灯を
今日ばかりは、あたたかく煌煌とかがやかしめ、
望むべくんば、われらをまたひとつに結ばしめたまえ!
汝が光、闇にありても耀けるをわれら知りたればなり。

深きしじま、いまや四囲をつつまんとするとき、
目には見えねど、われらをおおいし世界の
かの力づよき楽の響きに、
    われらが耳をかたむけさせたまえ、
神の子らみなの歌える、けだかき賛美のうたごえに。

善なる天の諸力に、こよなく護られたれば
いかな事態の襲いきたらんとも、
   われら従容としてそをば待たん。
ゆうべに、あしたに、しかし紛うかたなく
    いかな新しき日々にも、
神、われらがかたえに在せばなり。

ディートリヒ・ボンヘファー : 著 : クリスマスの奇跡 : 新教出版社

(ディートリヒ・ボンヘファー:1906年生まれ、ドイツ人牧師、キリスト者として、当時のドイツの教会の多くがナチスに協力したのに対して、ヒトラーの ナチスに抵抗運動を行った。